親知らずの抜歯
歯の中で一番最後に生えてくる一番奥の歯を親知らずといいます。
親知らずは、歯茎の中に埋まったままになっている場合や、斜めに生えている場合、あるいは一部分しか生えずに埋まっている場合もあります。
最近の日本人は、顎が小さく、親知らずが生えるのに十分な場所がない場合は正しい位置に生えない事が多くあります。
しかし、親知らずといっても、抜いたほうが良い場合と抜かないほうが良い場合があります。ご自身の親知らずについて、医師とご相談の上で治療されることをお勧めします。まずはご相談ください。
親知らずを抜いた方が良い場合
親知らずがきちんと生えてこないで、歯茎が被っている状態で、歯と歯ぐきの隙間に食べかすが詰まりやすくなっていて、それが停滞して汚れに変わり、炎症(智歯周囲炎)を引き起こして、慢性的な細菌感染により、疲れたりすると腫れや痛みが出る場合。 | |
親知らずが斜めに生えてきて、隣の歯によりかかり、隣の歯との間に食べかすが詰まりやすくなっていて、ブラッシングがしにくい状態で、そのために虫歯になりやすくなり、隣の歯にもダメージが及んでしまう場合。 | |
親知らずが斜めに生えてきて、隣の歯を圧迫し歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼしたり、前歯や奥歯の歯並びに影響が出ることもあり、場合によって顎関節に負担がかかって顎関節症になる可能性があり、肩こりや頭痛の原因になったりする場合。 |
この他にも生えている親知らずに歯ブラシが届かずに、虫歯になってしまう場合や、親知らずが歯茎を噛み込んでしまって歯肉に傷ができてしまう場合や、親知らずが虫歯になってしまったっけれど、治療器具が入らず治療できない場合も抜いた方が良いケースです。
親知らずを抜かない方が良い場合
- 親知らず(第三大臼歯)が上下とも生えていて、しっかり噛み合っていて咀嚼の機能をしている場合。
- 親知らずの手前の第二大臼歯が、虫歯や歯周病で抜歯しなければならない場合で、親知らずをブリッジの台として使える場合。
- 親知らずの手前の第一大臼歯あるいは第二大臼歯が虫歯で抜歯が必要な場合で、親知らずをその抜歯後に移植できる場合。
親知らずの抜歯
皆さんは、親知らずを抜くというと、「抜くのに時間がかかる」「抜いたあとに腫れる」「抜くときに痛い」などのイメージをお持ちのようですが、簡単に1分で痛み無く抜ける親知らずも沢山あります。確かに横になって半分埋まってしまっている親知らずは、歯肉を切ったり、歯を削って分割して取るので、多少時間がかかる場合もありますが、ほとんどの場合は30分以内に抜くことができます。また、きちんと無痛の麻酔をすれば痛みもありません。歯科医院の先生は親知らずを抜くというとすぐに大学病院の口腔外科に紹介するケースが多いようですが、わざわざ大学病院まで行っていただかなければならないケースは、全体の1%位しかありません。ご自身の親知らずについて、遠慮なく当院でご相談いただき治療されることをお勧めします。まずはご相談ください。
痛くない親知らずの抜歯治療
当院では、親知らずを痛み無く抜歯するために、最善の方法を選択しています。まず、麻酔をしっかりと行います。もちろん麻酔も痛みがないように、表面麻酔をして、体温と同じ温度に加熱した麻酔液を使用して、電動注射器でゆっくりと痛みの出ない速度で麻酔を行います。次に6倍のサージカル・ルーペを使用して、正確に親知らず抜歯用の特殊な器具を使って抜歯を行っていきます。どうしても抜歯が怖いという患者さんには、笑気ガス鎮静法を併用しております。親知らずの抜歯は、場合によっては歯ぐきを切開したり、親知らずを削って分割したりする必要もありますが、麻酔をきちんとしておけば痛みはありません。もちろん、痛くない親知らずの抜歯には道具だけではなく、開院25年以上の経験と、1000件以上の親知らずの抜歯症例が必要であることは言うまでもありません。
また、レントゲン撮影やCT撮影によって太い神経(下歯槽神経)と重なっている場合などの特殊なケースは、責任を持って信頼できる大学病院の口腔外科をご紹介いたします。
親知らずが原因で起こる症状
- 親知らず周辺の歯茎の腫れ、痛み
まっすぐに親知らずが生えてこないと、一部分のみしか歯が現れず、他の部分が歯茎に覆われる為、歯と歯茎の間に汚れや細菌が付着しやすく、それが原因で歯ぐきに炎症が起こります。
その為、歯茎の腫れ、歯茎の痛みが起こりやすくなります。一度、腫れが起こると時間をおいて腫れが 再び起こる事があり、その原因は慢性的な細菌感染によるものです。 - 親知らずやその隣の歯にむし歯が発症
親知らずが正しい位置や向きで生えていない場合、歯磨きが不十分になる事が多く、親知らずが虫歯になったり、親知らずの隣の歯にも虫歯が移る事があります。 - 噛み合せ、歯並びの悪化
学生時代までは歯並びが良くても、親知らずが生えてきて、歯並びが崩れる事があります。
奥歯だけでなく、親知らずが生える事で、前歯の歯並びにも影響を与える事があります。
親知らずの抜歯治療の料金(保険の負担金)
どのような状態で親知らずが生えているかによって料金は違いますが、3割負担で以下の通りです。
普通の抜歯 | ¥780 |
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歯を削っての抜歯 | ¥1,410 |
埋伏している歯の抜歯 | ¥3,150 |
下の歯の埋伏している歯の抜歯 | ¥3,450 |
この他に、初診料か再診料と、必要に応じてレントゲン撮影、投薬、麻酔等の保険点数の負担金が加わります。