投稿日:2016年9月9日|カテゴリ:院長ブログ

最新の歯周外科治療について その2


最新の歯周外科治療について

こんにちは。治田歯科医院の医院長の治田です。
今日は前回に引き続き最新の歯周外科治療について書いてみます。

前回は最新の歯周外科治療のうちのエムドゲイン治療について書きました。今回はもう1つのGTR治療について書いてみます。

GTR治療のGTRとはGuided Tissue Regeneration の約で組織誘導再生法のことで、歯周外科治療の際、汚れを取除いた後、メンブレンという特殊な膜を使用することによって、歯周病によって失われた歯槽骨と歯根膜を再生させる方法です。歯周組織の汚れを取除いたスペースは、何もせずそのまま治癒を待つと、歯槽骨と歯根膜が再生する前に約1週間で歯肉がそこに入り込み、歯槽骨、歯根膜ができるスペースを埋めてしまいます。そこでメンブレンという特殊な膜を使用して、歯槽骨と歯根膜が再生するためのスペースを確保し、再生を邪魔する歯肉の侵入をブロックすることにより、失われた歯槽骨と歯根膜を再生させる治療方法です。以前は手術後にメンブレンを取除く2次手術が必要でしたが、最近は吸収性のメンブレンが使用されるようになったため、1回の手術で済むようになりました。また2008年、GTR治療は健康保険の適応となりました。

 

しかしこの2つの最新の歯周外科治療も魔法の治療ではなく、100%の治療効果が得られるわけではありません。これからさらに進歩していく治療方法だとは思いますが、現時点では治療例の60%程度しか有効ではないのです。もともと歯周組織の破壊がひどい状態になってしまうには、唾液成分や分泌量を含む口の中の環境、歯ブラシの仕方や回数などの口腔ケアの状態等の要因があるので、治療効果を得るには、その後のメンテナンスも重要なファクターになってくるのです。

<<<(最新の歯周外科治療について その1)